スマホに磁石を近づけていいの?や、Permeance製品の同封注意事項などで、「電子機器に強力な磁石を近づけないでください」と記載させていただいております。「どうして?」という質問を受けることがありますので、少しご説明させていただきます。

①磁石が発生する磁界(磁力)は電流(電気)にローレンツ力という力を及ぼすなど、電気信号に影響を与え、誤動作の要因になることがあります

②磁力を感知するセンサー(方位、位置、開閉などセンサ)は誤動作します

③鉄など磁石によく付く素材(強磁性材料)は強い磁界(磁力)により磁気を帯びることがあります

 

①、②は直接的に誤動作の要因になりますが、磁石を近づけて根本的に壊れることはあまり考えられません。ただし、誤動作による事故が考えられる場合注意が必要です。

③の場合には根本的に壊れてしまう恐れがありますので、注意が必要です。

多少大げさかもしれませんが、高価な電子機器が壊れてしまっては大変ですので、安全をみて電子機器には磁石を近づけないこと、と言っています。

ちなみに、③ですがこんな実験がわかりやすいのではないでしょうか?クリップを2つ用意してみてください。そのうち一方を下の写真のように、強力なネオジム磁石に吸着させます

(上)クリップに磁気を帯びさせるネオジム磁石

もう一度、2つのクリップをくっつけてみると、タイトル写真のようになります。

これは、磁石に近づけたクリップが着磁され磁気を帯びたためです。

実は、永久磁石はもともと、磁気を帯びていません。着磁機という装置で強力な磁力を与えると、永久磁石は磁力を保持したままになるのです。これを着磁と言います。

(上)着磁機の写真

クリップのように磁気を帯びる特性をとても引き出したものが永久磁石というわけです。このような素材は電子機器の中に含まれている場合があります。磁気テープやハードディスクなどはその代表例です。

近い将来では、半導体メモリの内部にも、磁気を応用したMRAMなどを用いた製品が増えることが予想されていますので、少し注意が必要かもしれませんね

Permeance 清水