永久磁石は永久に磁石なんですかー?ってたまに聞かれます。そんなしょっちゅうではないです。

エンジニアは生真面目なもので「永久かっ?」と言われるとうーんっと口を噤んでしまうものです。いくつか不安要素があるからです。その1つが”さび”です。上の写真はネオジム磁石を半年くらい自宅の壁に貼り付けて置いたものです。赤さびがたっぷり出ています。これはまだ水にふれたりしていないですが、屋外で雨がかかるところなどにおいていたら、今頃さびでボロボロに朽ちてしまっているでしょう。そうなったら、すくなくとも「永久磁石」とは言えません。

そこで通常は上の写真のようにニッケルめっきをしておきます。通常みなさんが目にするネオジム磁石はニッケルめっきされたものだと思います。

さてここまでくれば一安心。だいぶさびにくくなりました。このまま大事に使えば永久磁石といっても良いくらい長持ちするのではないでしょうか?

もう1つネオジム磁石には心配ことがあります。ワレやすいです、、、。お茶碗みたいな感じです。磁石がとても強いので勢いよくくっつけしまい火花を散らして粉々に、、、なんてことがよくあります。粉々になっても、まだ磁石。しっかり磁力をもっています。

しかし、かけた断面は上の写真のようにネオジム磁石むき出しになります。この例は豪快に砕けた場合ですが、角の部分がすこしかけたりなどして、そこからサビてボロボロになったりします。

ネオジム磁石は磁力は強いのですが、結構デリケートなんです。

アルニコ磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石はネオジム磁石よりサビに強いです。特にフェライト磁石は雑にいうと鉄錆からできているようなものですから錆びません!

それでは、フェライト磁石を使えば良いではないか?となりますが、フェライト磁石はネオジム磁石に比べ強さが1/10くらいだったりします。磁石素材が色々とあるのはそういう強さ弱さをそれぞれが持っているいるからなのでしょう。使い方に合わせて永久磁石の素材を上手に選べると、より良くご利用いただけます。